壁は崩れ始めた(2)
それにしても今朝(2月7日)のTBS「サンデーモーニング」の世論誘導はひどいものであった(といっても途中まで見ただけだが)。あわせてtwitterのTLを見ていたら、フジテレビもひどいものだったらしい。
TBSでは相変わらず岸井某が何食わぬ顔で「各社が一斉に世論調査をやっているが、小沢に非常に厳しい」などと喋っている。自分たちでさんざんデタラメを煽っておいて、「ほらっ、こんな世論調査が出ています」と言うのだから、そのタチの悪さは尋常ではない。しかし、メディアによってはまったく違う結果も出るのである(これは後述)。
さて、そこで昨日の続きを書く(少しだけのつもりが長くなってしまった)。
twitterとともに、今回もう一つ印象的だったのはUSTREAMである。
佐藤優や魚住昭らによって行われた「『新撰組』化する警察&検察&官僚がニッポンを滅ぼす!」と題されたシンポジウム、あるいは2月4日の夕方に行われた郷原信郎による記者会見の生中継は、twitterと組み合わせることにより新しいメディアとしての可能性をいかんなく発揮した。
もはや動画による生中継はテレビ局の独占でもなければ専売特許でもない、誰もがきわめてローコストで行うことができる。つまりWebの力によって参入障壁がなくなってしまった。
しかも生中継というのは編集が入る余地がない。すると、これまでいかにメディアが編集によって情報操作をしてきたかが誰の目にもわかるようになった。
話はそれてしまうが、私はラグビーが好きである。なかでも大学ラグビーを追いかけているのだが、メジャーな大学ではないので、少し前までは生観戦をする以外にその結果をすぐに知ることは難しかった。
ところが、そのうちネット上で知り合った仲間が、試合結果を携帯で知らせてくれるようになった。さらにはネット上の掲示板などでスコアが動くごとに知らせてくれる人が現れ始める。
また試合終了後に観戦レポートを書いて、ついでにデジカメで撮影した画像を送ってくれる人まで出てきた(自分も観戦すれば同じようなことをする)。さらにさらに動画を撮影してくれる人も出てきて、そのファイルを送ってくれたり、あるいはYouTubeにアップロードしてくれる人まで現れた。
ところがUSTRAMは生中継をすることができる。私が見たいラグビーなんぞは世の中のほとんどの人が見たいとは思わないものだが、しかし数十人、あるいは数百人の単位なら見たい人がいるかもしれない。いわゆるロングテールのニーズなわけだが、そこへ向けてコンテンツを提供することが可能になったわけである。
十年ぐらい前(もっと前?)だろうか、これからのテレビは多チャンネル化へと向かい、また双方向になるといった話をよく聞いたものだった。確かにBSやCSの登場によって多チャンネル化は進み、また双方向性も備え始めた。だが、USTREAMとtwitterの組み合わせは、莫大な設備投資をすることなしに、いとも簡単に多チャンネルと双方向を実現してしまった。
とるなると、これは既存メディアの巨人であるテレビ放送のビジネスモデルをぶち壊す可能性が高い。
自社の決算発表会をUSTREAMとtwitterで中継したソフトバンクはの孫正義は、その席でUSTREAMへの出資も合わせて発表したが、おそらく孫はそこまで見据えているのだろう。
話を戻すと、今回の一連の小沢騒動の中で興味深かったのは、元から反民主、反小沢的な人とは別に、「こんな人までが作られた“空気”をそのまま代弁するのか」という人物が少なからずいたことだ。そういう人の言動をよくよく見てみると、どうやらニュースソースは新聞とテレビしかないようである。
で、これはあくまでも推測だが、なまじ知識人と言われるような人は、もちろん読売や産経に書いてあることは鵜呑みにしなくても、朝日や毎日に書いてあることはわりと単純に信じてしまうのなのではないだろうか。
一方で週刊文春にコラムを書いている作家の小林信彦は、テレビも新聞もほとんど見ないそうで、情報源は主にラジオだという。その小林信彦は、私の意見では今回の小沢騒動を非常に真っ当な視点で見ている。
そこで最後にラジオについて触れておきたい。
私は当ブログでかねてからラジオは真っ当なメディアであるということを書いてきた。もちろん、ラジオとておかしな番組はたくさんある。しかし、一方で他の媒体に比べるとまともな内容の番組も多い。
今日の朝日新聞では世論調査の結果を大々的に報じているらしい。そこでネットでこれを見てみると内閣の不支持が初めて支持を上回り、小沢は辞任すべきだという意見が68%に達しているという。
ところが先週金曜日のTBSラジオ「アクセス」ではまったく違う結果が出ている。
つまりここでは回答者の66%が小沢続投を支持しているのである。もちろん、「二木啓孝と麻木久仁子のコンビ(私はこの二人は必ずしも好きではないが)によるリードがあるからだ」という意見はあるだろう。しかし、それを言うならば新聞やテレビも同様だ。
そして私はこの結果にラジオのリスナーの質の高さを感じるのである。
さて、、、
この1年あまりの小沢一郎という政治家をめぐっておきた出来事をどう総括すればいいのか(もちろん現在進行形でまだ続いているのだが)。
今朝のサンデーモーニングでは幸田真音が「不毛なこと」と言っていたが、私は必ずしもそうだとは思わない。むしろ、起こるべくして起きたと思う。
野党時代のみならず与党の幹事長になっても小沢一郎が検察から狙われたということは、政権交代が起きてもなお鳩山政権が真の権力を掌中にしていなかったことの証明である。では真の権力者とは誰だったのか。言わずと知れた霞が関の官僚だ。
ところが、折しも自民党の呆れるほどの堕落が原因で政権交代が起き、一方で既存メディアの存在意義や利権をぶち壊す革命がWeb上で進行したため、霞が関を取り巻く自民党とメディアという二つの権力維持装置が機能しなくなってしまった。その結果、これまで巧みに姿を隠してきた真の権力者がついにその正体を現し、民主的手続きを経て政権を獲得した勢力に闘いを挑み、そして敗れた。
であれば、これは真の意味での政権交代が実現する過程で必然だったと私は思うのである。
もちろん、まだまだ安心はできない。霞が関はあらゆる手段を使って巻き返しをはかろうとするはずだ。けれども、これまで完璧を誇った日本的独裁の壁に穴があき崩れ始めたのは間違いない。
・田中良紹の「国会探検」
国民の敵
・ビデオニュース・ドットコム
「小沢氏は検察に決して報復してはならない」
・IT屋もりたの今時パソコン日記
ネットユーザー/非ネットユーザー間で広がる世論の乖離
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